フェミニズムとは? 日本のフェミニズム運動の歴史を簡単に解説

フェミニズムの輝かしい歴史 未分類

フェミニズムとは「女性解放思想」及び、それに伴う社会運動のことです。

よく誤解をされていますが、本来フェミニズムに「男女平等」の意味はなく、本質はあくまで「女性の地位を向上させるための運動」になります。(対義語にマスキュリズム(男性の地位向上運動)があります)

本記事では2023年までのフェミニズムの歴史を、「権利獲得」「ジェンダーフリー」「多様性」「被害者救済」の4つの流れに分けて、どのフェミニズム記事よりもわかりやすく解説します。

フェミニズムの歴史

フェミニズムを象徴する風景

日本のフェミニズムには大別して4つの流れに分類できます。
できるだけ難しい言葉を使わずわかりやすく説明します

権利獲得のフェミニズム(第一波フェミニズム)

1つ目は権利獲得のフェミニズム(第一波フェミニズム)です。

日本ではじめて普通選挙が実現したのは1925年。そこから女性の政治参加が認められる1945年までの20年間、女性には参政権がありませんでした。その少し前の時代から、女性運動が高まりつつあった欧米に触発され、平塚らいてうなどを筆頭に、女性参政権を求める運動がはじまりまっていました。これが権利獲得のフェミニズム運動となります。

そのおかげで、参政権や職業上の法的不利など、政治的・社会的な女性の地位向上に繋がりました。

ジェンダーフリーのフェミニズム(第二波フェミニズム)

次に始まったのが、ジェンダーフリーのフェミニズム(第二波フェミニズム)です。

制度的に女性の地位が改善されても、文化的にはまだまだ「女性は男性を支えるもの」という意識が強く、家庭での役割や、会社などでの立ち位置にもそれが根強く現れていました。そうした「社会の中での性別の役割」を「ジェンダー」と呼び、「女性としてのジェンダー的役割」を社会から強要されているとして、そこからの解放を目指して始まったのがこのフェミニズムです。

結婚制度や親権・女性が働くための会社での制度に対して「本当にそれが最善なのか」と疑問を投げかけるのがジェンダーフリーのフェミニズムになります。

第一波・第二波フェミニズムを指して「リベラルフェミニズム」と呼ばれることもあります。

多様性のフェミニズム(第三波フェミニズム)

続いて始まったのが、多様性のフェミニズム(第三波フェミニズム)です。

第二波フェミニズムは女性に対する社会的規範への反発でしたが、多様性のフェミニズムでは女性に限らず、「そもそも個人が社会的な規範に縛られすぎるのはおかしい」という主張に変わっていきます。

どんな服を着ていても自由、どんな振る舞いをしても自由。体型が醜くても、性格が悪くても、私はありのままの私として社会に認められるべきである。という強烈な「個性の主張」がこの多様性のフェミニズムの特徴です。

フェミニズムの流れの中では最も男女平等に近い思想ですが、個性の主張が行きすぎて少々軋轢を生むことも多いです。LGBTや人種差別問題とも密接に関わっているため、それらの活動家と合流することもあります。

被害者救済のフェミニズム(第四波フェミニズム)

最後が、被害者救済のフェミニズム(第四波フェミニズム)です。

SNSが普及し、誰もが情報発信ができるようになり、セクハラやDV・性的暴行・性的虐待など匿名での被害告白がしやすくなりました。

その結果「#MeToo」運動のように、日頃女性がどれだけ辛い目にあっているかが可視化され、フェミニズムの目的は「女性被害者の救済と加害者の撲滅運動」へと移っていきます。

名目自体は立派ですが、女性被害者を救うという思いが強すぎて男性差別的な主張になりがちなのが、被害者救済のフェミニズムの特徴です。その過激な主張ゆえに、「ラディカル(過激な)フェミニズム」「ツイッターフェミニスト(ツイフェミ)」などと呼ぶこともあります。

大手メディアからは、オンライン・インターネットフェミニズムと穏便な紹介がされます。

フェミニズムに対する誤解

フェミニズムの目的

以上の流れを見てもわかるとおり、フェミニズムは「女性を救うこと」を目的としてきました。

フェミニズムは「男女平等を目指す運動」と語られることもありますが、歴史から見てもそれは誤解です。

第四波フェミニズムにいたっては、「女性の救済」ではなく「女性被害者の救済」が目的となっているため、男性はおろか、被害の自覚がない女性や、日本社会に上手く適応している女性(キャリアウーマンやわきまえる女性)に対しては、むしろ敵対的であることもあります。

フェミニズムは「差別反対運動」の一つとして語られることもありますが、相手の属性によっては普通に差別発言をすることもあるので、注意が必要です。

フェミニズムの適切な捉え方

フェミニズム自体は悪いものでも良いものでもありません。単なる考え方の一つです。

時代によって考え方は変わります。寺子屋やお見合い、家業を継ぐことが良いとされていた時代もあれば、そうじゃない時代もあります。あるいはそのような時代を経て、また過去の仕組みが再評価されることもあります。

あくまで考え方の一つとして、有効に使えるなら使う。しかしそれが時代にそぐわないなら、よりよいアイデア、思想にシフトしていく。そういった柔軟な対応が求められているのかもしれません。

現代の日本ではまだまだ女性が不利だったり、男性が抑圧されていたりすることが多いです。
それらを解消するために今のフェミニズムは本当に適しているのでしょうか?

皆ができるだけ納得できる社会に近づくため、私たちに何ができるのか、考えていきましょう。

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